子供の頃、野山や空き地など、うっそうとした木立の下に茂っているドクダミを見て育った人は多いはずです。
薄暗い静まり返った場所で、はっとするような真っ白な美しいともいえる花を咲かせているのが、かえってなんだか不気味な印象を持つ原因のようです。
名前もドクダミという名称が、ドク=毒に通ずるせいか、子供達には人気がありません。
けれども思春期を過ぎてくると薬局の店頭で、ドクダミ茶やじゅうやくの名称で見かけるようになり、お肌にもよい便秘に効く伝統的な薬草としてドクダミに対する認識を新たにします。
ドクダミは野草ですが、こんなに医学が発達した現在でもその効能を認められ親しまれている民間薬です。

1.ドクダミとは

ドクダミは、ドクダミ科ドクダミ属の多年草です。
生薬名は十薬(ジュウヤク)、ハーブ名はカメレオンプラント、中国名は魚星草、中国、日本、アジア各地に分布します。
白い花のように見える部分は花弁ではなく総苞片(そうほうへん)という器官であり、めしべやおしべの塊に見えるような中央の黄緑部分が小さな花の塊です。
 
 和名のドクダミは江戸時代の俗称、吹き出物や切り傷などの外用薬として使用され、毒を矯めるということからきています。
漢方名の十薬は、十の薬効を持つ、重要な、たくさんの効能を持つことが語源とされています。
英名のカメレオンプラントは、江戸時代に葉にカメレオンのような班が入った種がヨーロッパに輸出され普及したことによります。
中国名の魚星草は、魚の腐った特異な臭いがすることが語源です。
 
 ドクダミは日本では野草ですが欧米では栽培されており、白い花弁に見える総苞片(そうほうへん)がたくさんついた八重咲きのものや、葉に白い班が入り(ゴシキドクダミ)など葉にピンクの色がつく、美しく珍重される栽培種があります。

2.ドクダミの薬効と副作用

ドクダミのハート形の葉には独特の臭いがあり、そのことが嫌がられることの一つにもなっているのですが、その臭いの元となっているのが「デカノイル アセトアルビデト」という有効精油成分です。
この成分は、黄色ブドウ球菌や肺炎球菌、白癬菌などの細菌や、ある種ウィルスにも活動を抑える効力があるとされています。
またフラボノイドも多く含まれています。

 ドクダミは6月の開花時期に全草を採取し乾燥させ使用します。
薬効成分は、フラボノイド、カリウム、デカノイルアセトアルデハイド、ラウリールアセドハイドなど。
脳卒中、高血圧、肝機能障害、動脈硬化、自律神経失調症、滋養強壮、心筋梗塞、ニキビ、吹き出物、肌荒れ、便秘、毒だし(デトックス)、むくみ、感染予防などに効能があるとされて、まさに万能薬です。

 昔から長年使用されてきた副作用の少ない民間薬ですが、成分にカリウムを含むことから、腎機能障害や腎機能が衰えている高齢者は避けた方が良いです。
また、緩下作用があるため、便秘気味な人には良くても元々下痢気味などお腹が緩い人向けではありません。

3.ドクダミの使い方

ドクダミ茶として乾燥し粉砕・刻んだ物を、大さじ2杯に対して約1リットルの熱湯で5分煮出した物、目安は麦茶位の色が付くくらいで飲用します。
外用としてはニキビや虫刺され、冷え性や肩こりに入浴剤、ドクダミ化粧水などが一般的です。
ドクダミ化粧水は、ホワイトリカーのに1か月漬け込んだものにグリセリンを加えた物で、肌のトラブルによく効きます。

子供の頃は不気味の思えた、あの薄暗い小立の下に生えている白い花も、大人になった目から見ると何か神秘的ですらあります。
ドクダミの江戸時代以前の名称は「シブキ」でした。
いったん根を下ろすと根絶できないしぶとい草の意味通り、ドクダミの生命力には、ポピュラーな民間薬ですが侮れない力を秘めていそうです。
毎日のデトックスな1杯のハーブティーとして、ドクダミ茶を見直したくなりますね。

                          

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